期待と自戒:ラブホでの禅問答
「あたしのこと好き?」
「転勤とかあっても、捨てないで大事にしてくれるの?」
ラブホでDKされながら、僕の頭はぐるぐる回っていた。
手順を誤ったらしいことだけは分かった。
***
相手は高学歴の女の子。来年からは、厳しく選抜されたものだけに許される進むエリートキャリアに進む才女だ。
彼女とは、就活時のインターンで一緒のグループになったきっかけで知り合った。
その後何人かで飲みにいった際に強烈なIOIを感じ、それがその後のLINEのやりとりでも続いたので今回アポってみた。
個室居酒屋で飲んだ後、ホテル街の方向へお散歩。もちろんグダられながらも、押し引きをしてラブホへ入った。
そして、冒頭のシーンへとつながる。
相手にコミットする負担と性欲とのせめぎ合い。
結局、事は致さずにラブホを後にした。
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刹那的な性欲に負けるほどやわな理性ではなかった。
そもそも自分の中で答えはでていた。はじめから付き合う気なんかない。
しかし、経験値を高めたいだけのために相手の気持ちを踏みにじる結果になってしまった自分の未熟さ。
期待させてしまったら、それを奪う事になってしまう。当たり前の事実に気づいた。
ゲームだと思ってやっている。
そしてそれは正しい。
大いに楽しみながらレベルを上げていけばいい。
しかし、うまくプレイできなければ相手の気持ちが傷つくことを忘れてはならない。